全身の筋肉量は年齢とともに減少します。これはお口周りの筋肉も同じです。ここ数年はコロナ禍のマスク習慣、リモートワークなどが重なり、リアルなコミュニケーションの機会が減ってしまったため、お口周りの筋肉の使用頻度が激減し、高齢者だけではなく全体的にお口周りの筋肉の機能低下が進んでいる傾向がみられます。
特に舌の周りの筋肉の劣化は低位舌による口呼吸を引き起こし、様々な全身トラブルへとつながります。舌はそのほとんどが筋肉なので舌を鍛えることは健康と美容につながります。
筋肉は何かを動かすためのものだけではなく、血流を維持したり自律神経を刺激したりと想像以上に多くの働きがあります。そんな筋肉をしっかりと動かしてあげると皮膚の細胞が活性化されて、むくみやシワの解消、顔色を良くさせたりと若々しさを保つことにつながるのです。
また、唾液の分泌を促され、殺菌作用、自浄作用、抗菌作用などにより、インフルエンザや虫歯や歯周病、口臭の予防にもなります。
私が考案した毎朝5分の『WaiWaiスマイル体操』で固まった筋肉を効率的に動かし、機能低下を予防しましょう。
朝起きたら、必ず体操前にうがいをしてお口の中の細菌を洗い流し、粘膜を湿らせてから始めて下さい。スマイル ワイワイ グルグル ベーベー ゴックンが基本動作です。
① スマイル
姿勢を正して鏡の前に立ち、自分に向かって口角を上げて笑顔を10秒キープ。
この時上の歯と下の歯は離す。
鏡の前で行う事で潜在意識に笑顔の筋肉パターンがインプットされます。
② ワイワイ
『うー』『わー』『いー』と一言ずつ、オーバーに口を広げて2回発音します。
唇が左右対称の小さい丸、大きい丸、横長の楕円形になるよう意識してストレッチ。
③ グルグル
舌を歯と唇の間に入れ、唇を押し広げ顔のシワを伸ばすように押しつけ右回りに2回ぐるぐる回す。
次のターンでは左回り
④ ベーベー
姿勢を正し舌を床と平行になるように真っ直ぐ前にゆっくりと2回突き出す。
舌と一緒にあごが前に出ないように意識して行う。
⑤ ゴックン
ゴックンと飲み込む動作を舌を上あごに強く押し付けて2回行って下さい。
⑥ スマイル
再び笑顔を作り自分の顔を10秒間見つめて終了。
以上の動きを毎朝5回行って下さい。
個人差はありますが、しっかり動かせていると数週間で首周りが引き締まり、首周りの筋肉や胸の前の筋肉、首の前の舌骨が良く動くようになったのを感じられるようになると思います。
YouTubeでもやり方を紹介しています。
https://youtu.be/pnZ9J-tUenY?si=vIRez-WZduXDUycp
〈執筆者〉
サウラデンタルクリニック青山
院長 堀 滋
http://www.hori-dental.com/