
寒さが厳しくなると、風邪やインフルエンザなどの感染症が増え、「冬は体調を崩しやすい」と感じる方も多いのではないでしょうか。特に、高齢の方や糖尿病、腎臓病、心臓病、喘息などの持病がある方は、感染症が重症化したり、もともとの病気が悪化したりするリスクが高くなります。
今回は、冬に免疫力が落ちやすい理由や、感染症の予防、冬に注意したい体調トラブルへの対策について、医療法人なかざわクリニック理事長中澤さまにお話を伺いました。
冬はなぜ体調を崩しやすくなるの?
冬は、私たちの体にとって感染症が広がりやすい環境になります。まず大きいのが「空気の乾燥」と「寒さ」です。空気が乾くと、のどや鼻の粘膜が弱くなり、ウイルスを体の外に追い出す働きが低下します。また寒さによって体温が下がると、免疫の働きも鈍くなりやすくなります。
さらに冬は、室内で過ごす時間が増えるため、人との距離が近くなり感染が広がりやすくなります。運動不足や睡眠の乱れも免疫力を下げる原因になります。
特に注意が必要なのは、高齢の方や糖尿病、腎臓病、心臓病、呼吸器の病気を持っている方です。こうした持病があると感染症が重症化しやすく、もともとの病気が悪化することもあります。
まずはワクチンで感染症の入り口を防ぐ
冬の感染症対策として、医師がまず挙げるのがワクチン接種です。インフルエンザワクチンは、流行している型と多少ずれていても、重症化を防ぐ効果が期待されています。肺炎球菌や新型コロナのワクチンも、高齢の方や持病がある方の重症化予防に役立つとされています。
また、帯状疱疹ワクチンは50歳以上の方において、発症やその後に続く神経痛を防ぐ目的で推奨されています。
ワクチンは感染を防ぐだけでなく、感染をきっかけに起こる体調悪化を防ぐという意味でも、大切な予防策といえます。
免疫を支える生活習慣
■睡眠
目安は1日7~8時間。寝る時間と起きる時間をなるべく一定にすると、免疫の働きが安定します。
■運動
軽く息が上がる程度のウォーキングなどを週に合計150分ほど行うのが理想です。筋力トレーニングを週2回ほど取り入れると、さらに効果が期待できます。
■食事
免疫の材料となるたんぱく質をしっかり摂ることが大切です。高齢の方は特に不足しやすいため、肉や魚、大豆製品などを意識して取り入れましょう。野菜や果物も、体を守る栄養素を補うために欠かせません。
■口のケア
歯みがきや入れ歯の管理を丁寧に行うことは、誤嚥性肺炎の予防にもつながります。
発熱したときは自己判断せずに
発熱した際は自己判断で抗生物質を使用せず、医療機関で症状や検査結果をもとに適切な治療を受けることが大切です。風邪やインフルエンザの多くはウイルスが原因であり、抗生物質が必要ない場合も少なくありません。特に高齢の方や持病がある方は、症状が軽くても早めの受診を推奨しています。
冬を元気に過ごすために
冬の体調管理で大切なのは次の3つです。
・ワクチン接種で感染症を予防する
・睡眠、運動、食事を整え免疫の土台をつくる
・体調の変化を感じたら早めに医療機関に相談する
冬は体調を崩しやすい季節ですが、日々の積み重ねで感染症のリスクを減らすことができます。無理をせず、自分の体調と向き合いながら過ごすことが大切です。
【クリニック情報】
医療法人なかざわクリニック
理事長 中澤 佑介
https://www.nakazawa-cl.jp/

