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吉田 智賀子
2025.10.03 Fri
アストラサナ・ジャパン株式会社 代表取締役 吉田 智賀子

PROFILE

約15年間にわたり、麻薬対策を含むテロ対策専門家として、外務省、独立行政法人国際協力機構(JICA)、国連薬物・犯罪事務所(UNODC)に勤務。日本政府の国際協力(ODA)プロジェクトや国際機関連携事業を担当し、幅広い国際経験を積んできました。 2019年に独立後は、英国のCBDベンチャー企業にて日本市場のコンサルタントを務め、2021年には同社日本子会社の代表取締役に就任。 2022年、アストラサナ・グループの共同設立者・取締役として参画し、2023年3月には日本法人を設立。代表取締役として、日本市場における事業開発とビジネス拡大に取り組んでいます。

現在の仕事についた経緯

 国際機関で麻薬・テロ対策に携わる中、各国がヘンプ産業や医療用大麻を見直す姿を目にしました。同時に、白血病で亡くなった弟の闘病経験から「もしCBDが選択肢であれば」という思いを強く持ち続けています。こうした国際的な動向と個人的な経験が重なり、合法かつ安全なCBDを日本で正しく広めることが自分の使命だと感じ、今の仕事に至りました。

仕事へのこだわり

 私は新人時代から一貫して「現場を知り、人に寄り添う」という姿勢を大切にしてきました。日本政府や国際機関で安全保障やテロ対策に携わった頃、机上の理論だけでは課題は解決できないことを痛感しました。パキスタン駐在時には、国境地帯で麻薬や武器、人身取引の問題に直面し、現場の声を拾い上げながら、持続的に機能する仕組みづくりに取り組みました。そこで学んだのは、どんな領域でも「誠実さ」と「実効性」が信頼を生むということでした。

 一方で、家族の闘病を通じて「制度や数字の裏にいる一人の人間」に意識を向けるようになりました。弟の闘病経験から、もし当時CBDが選択肢として存在していたなら、という思いを抱き続けています。その経験は、現在の事業において「法令を遵守しながら、人々やペットのQOLを高める製品を届ける」というこだわりに直結しています。

 私は単に商品を流通させるのではなく、科学的根拠や国際的な知見を基盤に「正しい理解」を広め、安心して選ばれる環境を築くことに注力しています。新人時代に培った誠実さと挑戦心を軸に、これからも社会に貢献できる新しい道を切り拓いていくこと。それが、私が仕事を通じて一貫して守り続けているスタイルです。

今後の展望・私の夢

 私の夢は、CBDを中心としたヘルスケア産業において、日本市場で信頼性の高いサプライチェーンとブランド価値を確立することです。現在はスイス産の高品質な原料を正規輸入し、食品・化粧品・ペット分野に展開していますが、今後はGSIクレオスなど大手パートナーとの協業をさらに深化させ、安定供給とOEM開発を一貫してサポートできる体制を強化していきます。同時に、B2Cブランドを通じて生活者に直接価値を届け、科学的根拠に基づく安全性や効果を啓蒙することで市場全体の信頼を高めたいと考えています。また、獣医臨床試験や大学との共同研究を通じてエビデンスを確立し、規制や基準づくりにも寄与することで、日本におけるCBD市場の健全な成長を牽引したいと考えています。最終的には、人とペット双方のウェルネス市場において、国際的にも認められる日本発のCBDビジネスモデルを構築し、グローバル市場で存在感を示すことを目指します。

若者へのメッセージ

 若い皆さんには、ぜひ「感謝と挑戦」を大切にしてほしいと思います。私自身、国際機関や海外の現場で仕事をする中で痛感したのは、どんな困難も一人では乗り越えられないということです。仲間や周囲の支えに感謝し、その上で自分にしかできない挑戦を続けることが、道を切り拓く力になります。

 また、最初から完璧を求める必要はありません。失敗を恐れず、一歩を踏み出すことでしか見えない景色があります。私が今の仕事に辿り着いたのも、国際社会の変化を肌で感じ、家族の経験を重ね合わせ、「自分だからこそできることがある」と信じて挑戦したからです。

 時代は大きく変わり続けています。その中で大切なのは、自分の価値観や信念を持ちながらも、柔軟に学び、変化を受け入れる姿勢です。感謝を忘れずに挑戦を続ければ、必ず自分自身の未来と社会に良い影響を与えることができると信じています。どうか恐れずに、自分の可能性を信じて挑戦を続けてください。

アストラサナ・ジャパン株式会社
 https://astrasana.co.jp/

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