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「妊活中に乳酸菌をとった方がいい」はホント?
2024.10.22 Tue
医療法人正育会 春木レディースクリニック 「妊活中に乳酸菌をとった方がいい」はホント? http://haruki-cl.com/

妊活について調べる中で、子宮内フローラの改善のためには乳酸菌をとった方がいいという話に当たることがあるのではないでしょうか。はたして実際のところどうなのでしょう。大阪市中央区の不妊治療専門クリニック、春木レディースクリニック栄養カウンセラーの花田尚香氏にお話を伺いました。

Q.妊娠のために乳酸菌をとった方がいいと聞いたので、毎日寝る前に乳酸菌飲料を飲んでいます。効果はありますか?
「妊娠のために乳酸菌をとった方がいい」というのは、子宮内フローラの改善に効果が期待できるという理由からですね。子宮内には善玉菌として乳酸桿菌(Lactbacillus;ラクトバチルス)が多く存在しますが、これら善玉菌が少なく悪玉菌が多い状態だと妊娠に影響すると言われています。このような理由で、善玉菌である乳酸菌を乳酸菌飲料から摂ろうということだと思いますが、実際はそれほどシンプルなものではないのです。

Q.乳酸菌の種類にはどのようなものがありますか?
乳酸菌にもさまざまな種類があります。子宮内フローラによい影響を与えてくれるのは、L.rhamnosus(ラクトバチルス ラムノサス)、L.acidophilus(ラクトバチルス アシドフィルス)、L.gasseri(ラクトバチルス ガセリ)などの乳酸菌で、これらはもともと人の体内に存在しているものです。
よって、これらを含む乳酸菌飲料や乳酸菌サプリメントを摂った場合、体内に定着する可能性はあると考えられます。
でも、もともと体内に存在しない乳酸菌の場合は、子宮内フローラに直接的にどのような効果をもたらしてくれるかはまだよく分かっていません。今飲まれている乳酸菌飲料のパッケージに記載されている乳酸菌の種類を確認してみてくださいね。

Q.乳酸菌飲料を飲む際の注意点はありますか
乳酸菌飲料にはたくさんの砂糖や甘味料が使われているのも気になります。特に、夜寝る前に飲むのはおすすめしません。血糖値が急上昇するため、インスリン抵抗性によりさらに妊娠に悪影響を与えるおそれもあります。いずれにせよ、すでに子宮内に悪玉菌が増えてしまっている場合は、食品から乳酸菌をとるだけではおそらく改善は望めないでしょう。子宮内フローラは子宮内膜炎や細菌性膣症などとも関連するので、自己判断はひかえ、まずは医療機関にご相談くださいね。

医療法人正育会 春木レディースクリニック
栄養カウンセラー 花田 尚香
保有資格:管理栄養士、不妊カウンセラー、公認心理師
http://haruki-cl.com/

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