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歯ブラシやくしからも?HIVの原因と感染経路|性行為以外での感染について
2024.11.28 Thu
ペアライフクリニック|性感染症内科 歯ブラシやくしからも?HIVの原因と感染経路|性行為以外での感染について

性感染症(性病)は限られた人だけがなる感染症ではないといいます。なかでもHIVは、誰でも感染する可能性があるウィルスです。多くの方が性感染症に対して正しく理解し、予防・早期発見・早期治療ができるよう努める、ペアライフクリニック性感染症内科さまに詳しく話を伺いました。

HIVについて教えてください

HIVはヒト免疫不全ウィルスの略称で、人の免疫細胞に感染して免疫機能を低下させるウィルスです。HIVに感染すると、エイズという重篤な病気になる可能性があります。
HIVは、リスク行動をとれば誰でも感染する可能性があるウィルスです。空気や水にさらされると感染力がなくなるため、通常の日常生活で感染することはほとんどありませんが、ディープキスや歯ブラシ、カミソリなどの共用が原因で感染することもゼロではありません。
HIVの感染を防ぐためには、定期的に検査を受けることと、正しい知識を持つことが大切です。

HIVの主な感染経路について教えてください

HIVの感染経路は主に性行為による感染、血液感染、母子感染の3つが挙げられ、一番多いのが性行為による感染とされています。性行為での感染の記事は世の中にたくさんあるので、性行為以外での感染経路について説明します。

・HIV感染経路①注射器具の共用や輸血→血液感染
HIVは、感染した人の血液に多く含まれており、血液と直接接触することで感染します。HIVに感染した人との注射器具の共用や、HIVに感染した人の血液を輸血をすることによって、血液を介して感染します。
注射器具の共用による感染は、HIVに感染した人が使用した注射器や針を他の人が再利用することが原因で感染することです。覚醒剤などの依存性薬物の使用において発生することが多く、感染リスクは非常に高いとされています。
輸血はHIVに感染した人の血液を輸血されることが原因で感染することです。日本では、献血された血液は厳重な検査により安全性が確保されていますが、感染の可能性を100%なくすることはできません。万が一HIVに感染した人の血液による事故が起きた場合には、抗HIV薬の予防内服を行うことで感染のリスクを大幅に減らすことができます。

・HIV感染経路②血液・母乳→母子感染
母子感染は、母親から胎児や赤ちゃんにHIVがうつることで、妊娠中の子宮内感染、出産時の産道感染、授乳時の母乳感染の3つのタイプがあります。
母子感染は、抗HIV薬の使用や帝王切開、母乳を与えないなどの対策で感染率を大幅に減らすことができるとされています。

・HIV感染経路③感染者の血液が付着した歯ブラシやカミソリの共用→血液感染
歯ブラシやカミソリを使用すると歯茎や皮膚に小さな傷ができることがあります。この時に使用したものがHIVに感染した人の血液が付着した歯ブラシやカミソリだった場合、傷口からHIVが侵入し、感染する可能性があります。
歯ブラシやカミソリに付着した血液の量や、傷口の大きさや深さなどによっても感染する確率は変わります。一般的には、歯ブラシやカミソリの共用が原因で感染するリスクは低いとはされていますが、ゼロではありません。血液が付着しやすい歯ブラシやカミソリは、他の人と共用したりせず、それぞれ自分のものを使用するようにしましょう。くしやピアスも同じように血液が付着しやすいため、共用は避けた方がいいでしょう。

・HIV感染経路④口の中に傷があるときの感染者とのディープキス
口の中に傷がある時にHIVに感染した人とディープキスをすると感染する可能性があります。ディープキスでは、相手との唾液交換をすることになりますが、唾液にはHIVはごく少量しか含まれていないので、通常は感染しません。しかし、口の中に傷がある場合は、傷口から出血することで、HIVを含んだ血液が相手の口の中に入ることがあります。その場合に相手の口の中にも傷があれば、傷口からHIVが侵入し感染することがあります。

HIVの原因として可能性が低い感染経路について教えてください

HIVは通常の日常生活で感染することはほとんどありません。HIVは、空気や水にさらされると感染力が失われるので、日常生活や職場・家庭・学校などで感染する可能性はかなり低いとされています。
握手、咳やくしゃみ、コップやペットボトルを回し飲みする、同じ鍋から食べる、同じ風呂に入る、同じトイレを使用する、HIV感染者を刺した蚊に刺されるなどの行動が原因でHIVに感染することはないので、過度な心配は必要ありません。

HIVの感染予防について教えてください

HIVは主にHIVに感染した人の精液・膣分泌液・血液に多く存在するので、性行為中に相手の性器・肛門・口などの粘膜や傷口に侵入することにより感染します。性行為以外では、次のような行為が原因で感染する恐れがあります。
・注射器具の共用や輸血
・母子感染
・HIVに感染した人の血液が付着した歯ブラシやカミソリ、くし、ピアスなどを共用する。
・口の中に傷があるときに、HIVに感染した人とディープキスをする。
HIVは主にHIVに感染した人の精液・膣分泌液・血液に多く存在し、性行為による感染・血液感染・母子感染の3つの経路で感染するといわれています。感染すると免疫力が低下し、さまざまな病気にかかりやすくなります。

現在HIVは感染力の弱いウィルスと考えられていて、通常の日常生活では感染することはほとんどありません。
ただし、HIVに感染した人の血液が付着したものを共有したり、口の中に傷があるときのHIVに感染した人とのディープキスをしたりと、リスク行動をとると誰にでも感染する可能性があるウィルスであるため、原因や感染経路などについて正しい知識や理解を持ち、感染を予防することが大切です。
また、もしもHIVに感染しても、適切な治療やケアを受ければ普通に生活することができます。HIVは早期発見・早期治療が重要です。
自分の健康を守るとともに、他の人への感染を防ぐためにも、心配があればHIV検査を受けることをおすすめします。

ペアライフクリニック|性感染症内科
https://pairlife-clinic.com/

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