Healthcare journal

2026.03.09 Mon

ママ友との距離感に悩むあなたへ。
3万件の相談から見えた「愛着スタイル」という処方箋

春になると、入園・入学やクラス替えなど、新しい人間関係が始まる季節です。中でも多くの母親が不安を感じやすいのが「ママ友との距離感」ではないでしょうか。しかし、「うまく輪に入れない」「一言が気になって落ち込む」と悩んでいるのは、あなただけではありません。
そこで今回は、3万件を超える恋愛・パートナーシップの相談実績を持つ妃谷朱理さんに、人間関係のストレスを軽減する「愛着スタイル」という視点についてお話を伺いました。

「ママ友疲れ」の裏側にあるもの

今、子育て世代の間で「ママ友関係のストレス」という言葉を聞かない日はありません。特にこの春は、新しい環境でのコミュニケーションに不安を感じ、「会話が続かない」「適度な距離感がわからない」といった悩みを抱える方が急増しています。
もちろん、コミュニケーションスキルを磨くことは重要です。しかし、3万件以上の人間関係の相談に応えてきた私の経験から申し上げると、どんなにテクニックを学んでも、自分の「対人傾向」を理解していない方が非常に多いのです。その鍵となるのが、ずばり「愛着スタイル」です。

「愛着スタイル」が教える対人反応のパターン

愛着スタイルという言葉をご存知でしょうか。これは発達心理学者ジョン・ボウルビィの理論に基づき、幼少期の養育環境から形成される「人との関わり方の傾向」を指します。
成人期には大きく「安定型」「不安型」「回避型」「恐怖型」などに分類され、それぞれに対人反応のパターンがあります。たとえば、不安型傾向のある人は他者の反応に敏感で、拒絶への不安から過度に気を遣いやすい。回避型の人は親密な関係にストレスを感じ、無意識に距離をとろうとする。
重要なのは、これらは性格の良し悪しではなく、自分にとって安心を保つための「無意識の行動パターン」だということです。これでは、いくらママ友と仲良くしようと努力しても、自分の土台となる対人傾向を理解していなければ、その効果を最大限に発揮させることは難しいでしょう。
そこで私が提案したいのが、「自分の安心条件」を知るためのセルフワークです。自分の愛着スタイルを理解することは、最もコストのかからない最強のメンタルケアなのです。

恋愛専門家が勧める「安心条件の可視化ワーク」

この自己理解を深めるためのワークをご紹介します。

1.過去の心地よい関係を振り返る
一緒にいて楽だった人や関係性を思い出し、その共通点を3つ書き出してみてください。

2.「なぜ安心できたのか」を言語化する
それらの関係に「なぜ安心できたのか」という理由を添えてみましょう。たとえば、「否定されない」「話を遮られない」「沈黙が気まずくない」など。

3.自分の安心条件を整理する
これらを整理することで、自分にとっての「心地よい関係性の条件」が可視化されます。
このワークを行うと、自分の安心条件が明確になります。つまり、「この人とは少し距離を置いても大丈夫」「自分が悪いわけではない」と、人間関係を必要以上に抱え込まずにいられるようになるのです。

毎日の人間関係を「選択」に変える

私が運営するコミュニティには、働く母親や子育て中の女性など、さまざまな立場の方々が参加されており、皆一様に「自分らしい関係性の選び方」の重要性を語ります。
他者にどう思われるかではなく、「自分がどうありたいか」「どう付き合えば心地よいか」に意識を向けること。高度なコミュニケーション術も素晴らしいですが、まずは今日のママ友との会話から。自分の愛着スタイルを理解するだけで実践できる「自己理解」で、この春の人間関係を健やかに築いていきましょう。

【筆者プロフィール】

妃谷 朱理(ひめたに しゅり)
株式会社アモネスフィア 代表取締役。恋愛・パートナーシップ専門家/SBNR協会代表。40〜50代女性の「私らしく生きたい」という願いに寄り添い、3万件を超える恋愛・パートナーシップの個別相談・指導実績を持つ。恋愛を感情論ではなく意思決定と関係性の構造として扱う独自メソッドを開発。講座、個別セッション、コミュニティ設計を通じた実践的支援を行っている。

https://www.amonesphera.com
YouTube:https://youtube.com/@shuriroom?si=K64JYoAbyaee62zu

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