Healthcare journal

道家 孝幸
2024.07.24 Wed
Do-Clinic 整形・運動器リハビリテーション 理事長・院長 道家 孝幸

PROFILE

2006年医師免許取得後、初期臨床研修を経て、札幌医科大学整形外科教室へ所属。各地で臨床経験を積み、 2012年から札幌医科大学へ戻り、肩関節専門外来を担当。また大学院で骨代謝の研究を行い、2016年学位を取得。2019年に運動機能をリハビリで治すことを診療の柱としたDo-Clinic整形・運動器リハビリテーションを開院。2022年1月には医療法人社団となり、現在に至る。

現在の仕事についた経緯

 学生時代のスポーツ経験からスポーツドクターを志し整形外科医となりました。しかし臨床経験の中で、手術が中心の従来の診療に疑問を感じ、痛みの原因を治すことの重要性を意識するようになりました。実は痛みの「原因」は痛い部位とは異なるところにあることが多く、痛い部位の治療だけでなく、身体全体の動きの評価をすることで痛みの原因部位を突き止め治療することが必要と考えています。手術治療の限界やリハビリテーションの重要性を痛感し、2019年運動機能をリハビリで治すことを診療の柱とした「Do-Clinic整形・運動器リハビリテーション」を開院し、理学療法士と二人三脚で多くの患者さんの診療にあたっています。また治療だけでなく、予防が重要と考え、予防医療にも注力しています。

仕事へのこだわり

 しっかり治して「患者さんを笑顔にすること」を目標に頑張っています。病院へ受診するときは、身体に不調があってつらいときだと思います。患者さんの立場にたって考えていくということがとても大切だと思っています。そして、病院を出るときには少しでも症状や気持ちが楽になっていることを目指しています。実は病院って、「大きな異常はありません。薬を出しておきますので使ってください」と言われることが多いと思います。それでは病院を出るときには症状は変わっていませんよね。そうではなく、少しでも症状が緩和できることをして来院したときよりも笑顔になって帰ってもらいたいですね。それはいつも意識しています。最近ではエコーをみながらピンポイントで注射ができるようになり、即時効果も出せるようになったので患者さんにも喜ばれます。

 また、「医療はサービス業」という考えも大切だと感じています。医療現場では、患者さんは不調があるので弱い立場であることが多く、医療従事者が強い立場であることがほとんどです。でも患者さんあっての医療経営ですので、サービス業だとも感じています。自分は学生時代の飲食店のバイト経験から接遇の大切さを感じてきました。したがってクリニックスタッフにも接遇のことは重視して伝えているつもりです。不調の患者さんが、診療の中身だけでなく、接遇や環境などのサービスでも気持ちが楽になれればよいなと思っています。

 あとは「患者さんファースト」を意識しています。医療の中心は患者さんです。救急現場ではケガ人など急患はいつやってくるかわかりません。整形外科はそういった急患を診る診療科の一つです。したがって自分のペースで仕事ができないときもあります。でも医療の本質は患者さんを助けることですから、ある程度の自己犠牲は必要だと思い、「患者さんのために」をいつも意識しています。今の時代にはなかなか受け入れてもらえない考えかもしれません(笑)。

今後の展望・私の夢

 クリニックの理念は「すべてのライフステージで運動機能の向上に貢献する」です。生まれたときから死ぬまでずっと動くわけですから、運動器を診る整形外科は生涯ずっと関わる診療科です。そしてそれぞれの年代で求められることは変わってきますし、生涯健康で動くために幼少期からすべきこともあります。そのため、どの年代の患者さんでも対応ができ、将来の生活を見据えた医療対応が重要だと思います。幅広いニーズに対応できる新しい整形外科/運動器診療の形を模索しています。そして点ではなく線で患者さんと関わることで、人と人との関わりを大切にしたいです。患者さんから笑顔で「こんなことができるようになった」「大会でこんな成績が出せた」などと笑顔で報告していただけるのが私の喜びです。「オリンピックで金メダルがとれました!」と報告されることが私の夢です。

若者へのメッセージ

 現代は時代の変化がとても早いです。それに合わせて医療も変化しています。患者さんのニーズに合わせて自分たちも変化することがとても重要だと考えています。人や組織はどうしても変化を嫌う傾向があります。しかし医療も進化する中、患者さんによりよい医療提供をするためには、医療者も変化をしなければなりません。また、新しいことへのチャレンジは自分自身の成長にも繋がります。医療において「経験」というのは財産です。さまざまな経験が必ず患者さんを治すために役立ってくれます。変化を楽しみ、多くの経験をして成長し、患者さんを笑顔にしてもらいたいです。それが自分自身の笑顔にもつながると確信しています。

Do-Clinic 整形・運動器リハビリテーション
https://www.do-clinic.jp

BACK
TO
TOP