Healthcare journal

2024.05.27 Mon
株式会社AMDIA http://amdia.jp/

昨今大きな地震が頻発していることにより、防災意識が高まっているかと思います。
ペットを飼っている皆さんは被災して自宅が危険になった場合、どのように行動したらいいか考えているでしょうか?
避難所にペットを連れて行ってもいいのか?と不安になる方も多いと思います。
今回は避難時にペットはどうするのか、必要な持ち物や注意点などもご紹介します。

災害で避難する際にペットはどうする?

災害時の避難は、原則ペットと「同行避難」です。環境省の「人とペットの災害対策ガイドライン」ではペットと飼い主は同行避難が原則となっています。
災害時は、まず飼い主の安全を確保し、安全が確保されたらペットと一緒に避難します。

なぜ同行避難が必要なのか

ペットは家族同然の大切な存在です。過去の震災時にいったん避難した飼い主が、ペットのいる自宅に戻った際に災害に巻き込まれた事例がありました。
ペットを救うための行動はもちろんですが、同行避難は飼い主とペットどちらの安全も確保するために必要な行動です。

同行避難とは

自宅が危険になった場合にペットを同行して安全な場所に避難することです。
避難場所では一緒に過ごすとは限りません。殆どの避難所は人とペットの生活スペースは分かれています。お住まいの自治体や避難所に事前に確認しておくと安心ですね。
似た言葉で同伴避難があります。同伴避難は、避難所でペットを飼養管理することやその状態を指します。人と同じスペースで飼養管理することではないので注意しましょう。

避難所で受け入れられない動物はどうする?

人や他の避難している動物に危害を加える恐れのある大型動物や危険動物、特別管理が必要な動物は避難所での受け入れができません。事前にペットの受け入れ先(ペットホテルや親戚、友人等)を探しておくようにしましょう。
また、受け入れ可能の動物でも避難所生活が長引いたときの為に預け先を検討しておくなど、精神的負担の軽減に努めましょう。

飼い主による「自助」が基本

避難所では飼い主自身の自助(他人に頼らず自分で自分の身を助けること)が基本とされています。
災害時に行政機関からの支援は人の救護が基本なので、災害発生当初はペットフードなどの支援を受けることが困難なことが多いです。
こうした場合でもトラブルが起きないようペットの安全と基本を守って、平常時以上に安全に健康に飼養管理していく必要があります。

飼い主がいまやるべきことは?

災害はいつ起こるかわかりません。いざという時に慌てないよう、日頃からの備えが重要です。 以下は災害前に飼い主が責任を持って準備しておきたい項目です。
・身元表示
・健康管理
・しつけ
・防災用品の備蓄

1.【身元表示】
突然の災害に驚いてペットが逃げ出してしまい、飼い主と離れ離れになってしまう可能性もあります。はぐれてしまったペットが飼い主の元に戻れるよう、身元表示をしましょう。
※犬は狂犬病予防法において鑑札及び注射済票の装着が義務付けられています。

2.【健康管理】
同行避難した先では多くの動物が集まり、自分のペットが他の動物と一緒に過ごすことになるかもしれません。また、慣れない環境で過ごすストレスから体調を崩すこともあります。
感染症の蔓延を防ぎ、ペットの健康を守るためにも日ごろからの健康管理が重要です。体を清潔に保ち、狂犬病予防注射(犬)や混合ワクチンのほか、ノミなどの外部寄生虫の駆除を行いましょう。

3.【しつけ】
安全かつ速やかに避難できるように、また、避難所において周囲に迷惑をかけないように、普段からしつけを行い飼い主がきちんとコントロールできるようにしましょう。いざという時に動物のストレスを少なくすることにもつながります。

4.【防災用品の備蓄】
ペットのための備えは飼い主の責任です。最低でも3日分、できれば5日分を目安にペットの防災用品を備蓄しておきましょう。
上記の通り、基本的なしつけから各種ワクチンの摂取など平常時に対策しておけることばかりです。

また、迷子にならないために迷子札や脱落の可能性が低いマイクロチップを装着するのも効果的です。マイクロチップとは … 直径2mm、長さ12mmほどの円筒状で外側に生体適合ガラスを使用した電子標識器具です。リーダーで読み込むことで番号が分かり、 その番号からデータベースに登録されている飼い主を見つけることができます。
引っ越した際には更新が必要ですので忘れず行いましょう。

参考:東京都福祉保健局『同行避難』するために・・・日ごろからの備えが大切です

同行避難時に必要な持ち物・避難グッズ

避難所では人の食糧配給が優先されるため、ペット用の救援物資が届くまでには時間がかかる場合があります。少なくとも5日分(できれば7日分以上)の避難グッズは用意しておきましょう。
備蓄品には優先順位を付け、優先度の高いものはすぐ持ち出せるようにして人の避難用品とともに保管します。

【ペット用避難用品の例】
フード(5〜7日分)
水(5〜7日分)
常備薬
食器(フード用、水用)
トイレ用品
ゴミ袋
ウェットティッシュ
タオル
首輪、リード
ワクチン摂取証明書
ペット情報を記載した手帳(かかりつけ病院や飼い主の連絡先など記載)
ケージ、キャリーバッグ

ここに記されているものが全てではありません。愛犬や愛猫によって必要なものが変わってくるので、上記を参考にしながらその子に合わせて揃えましょう。
ネットショップにはペット用防災グッズをリュックに詰めてセット販売している商品も多くあります。一つひとつ揃えるとなると大変ですが、1個買っておくだけで”いざ”というとき直ぐに持ち出せるので安心です。
平時に余裕を持って準備しておきましょう。

ペットと避難するうえでの注意点

自宅が危険になった場合や避難指示が出た場合、近くの避難所まで一緒に向かわなければなりません。その際の注意点やチェックしておきたいポイントを紹介します。
避難所や避難ルートの確認
住んでいる地域の防災計画やウェブサイト等で災害時の避難所の場所や避難ルートを確認しておきましょう。所要時間や危険な場所をチェックしておくことでより安全に避難できます。
また、複数の迂回ルートも確認しておくことで、道が悪くて通行不可になった時も柔軟に対応できます。

避難所の方たち、ペットへの配慮
慣れない環境で過ごすのは、人にとってもペットにとっても大きなストレスになります。
動物が苦手だったり、アレルギーがある方もいらっしゃることも認識しなければなりません。

ペットが避難所で落ち着いて行動できるように普段から無駄吠えをしない、ケージに入るのを嫌がらない、人見知りし過ぎない、といった躾を心がけましょう。
スキンシップを取り、寄り添いながらストレス緩和に取り組んでいきます。

避難訓練への参加

実際にペットを連れて避難所へ向かう訓練を行なっている自治体があります。
避難所までのルートや所要時間、危険な場所を確認できるので、もしお住まいの地域で避難訓練を行なっていたら積極的に参加しましょう。

近隣住民とのコミュニケーションをとれる良い機会でもあり、万が一の時助け合えるかもしれません。

まとめ

災害時、自宅が危険と判断した時や避難指示が出ている時には躊躇わずペットと一緒に「同行避難」しましょう。

ただし、常に一緒にいるとは限らないので自宅にペットを残して避難せざるを得ない状況もあるかもしれません。
不測の事態が発生してしまうケースもあることを想定しておく必要がありますね。
平常時に飼い主にできる躾や防災用品の準備は責任を持って行いましょう。
自分の身は自分で守れるよう普段から意識していきたいですね。

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