Healthcare journal

赤松 佑紀
2024.07.02 Tue
あかまつ歯科クリニック 院長 赤松 佑紀 http://akamatsu-dental.jp/

PROFILE

2005年に朝日大学歯学部を卒業後、京都府立医科大学附属病院で研修医として勤務。2006年には京都府立医科大学大学院医学研究科統合医科学専攻博士課程に入学(主科目:感染免疫病態制御学)。2010年、同大学大学院医学研究科歯科口腔科学の助教に就任し、同時に京都府立心身障害者福祉センター附属リハビリテーション病院歯科の医長も務める。2014年には国賀歯科医院に勤務し、同年10月にあかまつ歯科クリニックの院長に就任。2023年に一般社団法人一隅会の理事に就任。

あかまつ歯科クリニック

―なぜ標準的な歯科医療の流れを実施できていない歯科医院が多いのでしょうか。
問題点として、日本の保険診療の問題、歯科医療者教育、国民への歯科啓蒙活動の不足などの問題が挙げられます。
日本の保険診療は疾病保険のため、病気にかかってから病院を受診することが多いです。近年は、疾病の重症化予防が認知され、一部予防歯科的な内容も保険診療に含まれていますが、本来は健康な人が健康なまま過ごせるように病院を受診できる医療システムではありません。
医科が病気になって通院するところであり、歯科も病気になって通院するという意識ができてしまい、むし歯があればすぐに削って詰める・被せることを患者も歯科医療従事者もあたり前であると認識してしまっているのです。

―患者側としてはどのような意識でいるといいのでしょうか。
むし歯と歯周病はほとんど予防できる疾患であることを意識し、病気に対する正しい知識、認識をもっていただきたいです。すぐにむし歯で穴があいているから削るのではなく、なぜむし歯になったのか、これからどう予防したらいいのかを考えていただきたいです。むし歯で穴があいていても削って詰めるのは治療ではなく修復であり対症療法です。そのためにも、まずしっかりとした検査をし、説明をし、歯周病治療、リスクアセスメントをしてくれる歯科医院を探していただきたいと思います。
失った歯はもどってきません。むし歯で穴があいてから(病気が進行してから)歯科医院に行くのではなく、何も症状がない時から健康になるため・健康を維持するために歯科医院を利用していただきたいです。

―読者へのメッセージ
近年はお口の健康を意識される方が増えてきたと実感しています。
また、近年予防歯科を謳っている歯科医院も増えてきました。しかしながら予防歯科=クリーニングという誤解はしていただきたくありません。クリーニングとメンテナンスも違います。クリーニングはただ汚れ落とすだけ、メインテナンスはクリーニングももちろんですがプロの歯科衛生士が患者さんの個々の状態に合わせたリスクチェック・リスクコントロールをしていくことに意義があります。
意外に多いのがただクリーニングしているだけで、歯周病の状態がまったく良くない状態で通っていることも多々あります。歯周病やむし歯のリスクコントロールができていないと受診しても悪くなっていくことも知ってほしいです。まずはしっかりとご自身のお口の状態をかかりつけの歯科医院で質問してみてください!

あかまつ歯科クリニック
院長 赤松佑紀
http://akamatsu-dental.jp/

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