Healthcare journal

谷口 孝伸
2025.05.22 Thu
立川髙島屋S.C.大腸胃食道の内視鏡・消化器内科クリニック 谷口 孝伸

PROFILE

弘前大学を卒業後、縁あって立川相互病院に入職。その後内科、消化器内科を経て、甲府共立病院やがん研有明病院で研鑽を積み、大腸内視鏡検査や膵臓の超音波内視鏡検査の技術を習得。がんで悲しむ人を減らし日本社会に貢献するために2024年に立川髙島屋S.C.において、大腸胃食道の内視鏡・消化器内科クリニックを開業。開業前の4年間、立川相互病院で膵癌早期診断に打ち込み、14例のStage0膵癌を診断した実績を持つ。

現在の仕事についた経緯

 社会的意義のわかりやすい仕事をしたかったことと、理系人間だったことから医師になりました。医師の中でもできるだけ多くの方に関わる可能性のある内科を選択し、手に職をつけたい、技術を身につけたいという希望から消化器内科を選択しました。

仕事へのこだわり

 医療、病院、医師、消化器内科医、内視鏡医というものが、なんのために存在しているかを常に考えて仕事観を築いてきました。その結果、現在根底にあるのは、医療や医学や医師という職は人類が長い年月をかけて作り上げた、人類の財産であり、その財産を提供するあるいは享受する際にはできるだけ不平等はあってはならないということです。医療や医師がお金を稼ぐために存在してはならず、日本国民をより健康にあらせ、不本意ながん死などで悲しむ人が少しでも減る社会を実現するために使われる存在でなければならないと考えています。また、個人としてはそれを実現するための勉強を続けることと、私のクリニックでささやかでも地域社会や日本に貢献できるよう、日々診療に励んでいます。

今後の展望・私の夢

 医師、消化器内科医、内視鏡医を続けていく中で、膵臓がんで悲しむ方が多く、ほとんどの場合膵臓がんになった方を助けることはできないということを知りました。さらにその膵臓がんは世界でも日本でも徐々に増加中、がん死亡者数は胃がんを抜いて3位になりました。がん死亡者数第2位の大腸がんは、定期的な大腸カメラを全国民が受けていればほとんど防ぐ、解決することがわかっておりますが、膵臓がんにおいては明確な解決策がいまだに見つかっておりません。
 MRIやEUS(超音波内視鏡検査)によるStage0膵臓がんの診断は、膵臓がんで死亡する方を減らすための一つの希望ですが、Stage0の膵臓がんをMRIで指摘できる医師は未だ少なく、EUSはその高価さと術者の少なさ、EUSでStage0膵臓がんを指摘できる医師も少なく、課題ばかりという現状です。
 大病院の先生方は、Stage0の膵臓がんを見つけるよりも、すでに進行したがんの方の治療や、それ以外の病気の診療に日々終われ、膵癌早期診断に全力で打ち込める方は少ないです。大病院にかかる前の、クリニックという立場でより早い段階でEUSやMRIを提供し、膵臓がんで悲しむ方を少し減らせたらと考えています。

若者へのメッセージ

 私もそろそろ40歳になりますが、多くの患者様が40代、50代、60代で志半ば、亡くなる姿を見てきました。人生は短いと思います。社会に貢献できるやりたいことに注力して頂けたらと思います。
私が高校生の頃、大学生の頃、研修医の頃、消化器内科医になった頃、いずれのフェーズにおいても、40歳の自分が膵臓がんの早期診断に興味を持ち、注力することになるとは思っていませんでした。ただ、それぞれのフェーズで日々頑張って生きていたら、いつかそういうものが見つかる日がくるのではないかと思います。

立川髙島屋S.C.大腸胃食道の内視鏡・消化器内科クリニック
https://ta-eus.com/

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